
神聖ローマ帝国って、戦争や皇帝の話ばかり注目されがちですが、実はその広大な地域と長い歴史の中で科学や発明の面でもけっこうすごい人たちが登場してるんです。
しかもその多くが、宗教・哲学・自然観察がまだ混ざり合っていた時代に、「世界ってどうなってるの?」を真剣に追いかけていた人たち。
この記事では、そんな神聖ローマ帝国出身の代表的な科学者・発明家たちを時代ごとにご紹介していきます!
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まだ「科学」という言葉がなかった中世では、世界を理解する手段として錬金術・占星術・自然学が活発に研究されていました。
そのなかから、後の近代科学のヒントになるような発想がたくさん生まれています。
ドイツ出身のドミニコ会修道士で、自然学・医学・化学・哲学の大百科全書みたいな人。
「自然には秩序と法則がある」という考えを打ち出し、のちに近代科学が生まれる土台を作りました。
トマス・アクィナスの師匠としても知られています。
本名はフィリップス・アウレオルス・テオフラストゥス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイムという超長い名前。
錬金術師として知られていますが、実は近代医学・薬学の祖でもあるんです。
「病気は神罰じゃなくて物理的原因がある」と主張し、当時としてはかなり科学的な医療観を持っていました。
15〜16世紀に入ると、「知識を広める技術」と「観察を通じた科学」が急速に発展します。
この時代の発明と発見が、ヨーロッパ全体を変えることになるんです。
神聖ローマ帝国領・マインツ出身の近代活版印刷術の発明者。
金属活字と印刷機を組み合わせた技術で、知識の大量複製・拡散が可能になりました。
宗教改革や科学革命が進んだのも、この「印刷の革命」があったからこそなんです。
天文学者・地理学者で、代表作は『宇宙と天体の天文学的概説』。
三角測量や地図作成にも力を入れていて、実用性の高い“観測する科学”の先駆け的存在でした。
皇帝カール5世のお抱え学者としても知られています。
神聖ローマ帝国末期〜近代にかけて、観測精度が上がってきたことで天体の動きや物理法則への関心が一気に高まります。
ここからは「神を知るために星を見る」時代から、「自然法則を探るために星を見る」時代へ移っていきます。
神聖ローマ帝国のヴュルテンベルク出身。惑星の楕円軌道の発見者として知られ、天文学に革命を起こしました。
「ケプラーの法則」は、ニュートンが万有引力を考えるヒントにもなったと言われています。
しかも、占星術もやってて宗教的思索も深かったという、“科学と神学の架け橋”みたいな人です。
ザクセン出身の鉱物学者・歴史家で、鉱山と化学の関係を探ったことで知られています。
現地観察に基づく記録を多く残し、ドイツの自然科学の地道な発展に貢献しました。
神聖ローマ帝国の科学者たちは、神と自然と人間をぜんぶセットで考えてたのがすごいところ。
迷信と論理のあいだで悩みながらも、「もっと正しく世界を知りたい!」という情熱が、のちの近代科学や技術の芽を育てていったんですね。